決算確定日

会社法における決算確定日/確定申告における決算確定日

site/21046901

1 会社法における決算確定日

決算が確定するのは次です。これを『会社法における決算確定日』と呼びます。
(1)定時株主総会の承認時である(会社438条2項)。
(2)会計監査人設置会社においては、定時株主総会の報告時である(会社法439条)。

2 もなた税理士

2.1 もなた税理士は、『定時株主総会等を開催しない中小企業者であれば、決算確定日には仮の日付を記載することになる・・・」という実情を零し、「取締役会で承認を得て定時株主総会に申告書を提出する場合には、決算確定日欄には取締役会で承認を得た日を記載しましょう」と云います。
【徹底解説】決算確定日前の確定申告書の提出は有効か? –
2.11 もなた税理士に賛同します。取会非設置であれば取締役の決定日を記載すればいいと考えます。
2.12 もなた税理士はその根拠として「税務通信3706号:取締役会での決算確定と申告時期」の次の記述を引用します。

会社法上、定時株主総会での決算の確定の承認を経ることなく、“取締役会の承認”により決算を確定させることもできる(会社法439等)。法人税に係る申告期限の1か月延長特例の適用を受けている場合でも、取締役会の承認により決算を確定させているのであれば、定時株主総会開催 前 に法人税の申告書を提出しても問題ないという。法人税に係る申告期限の1か月延長特例は、「定款等の定めにより、各事業年度終了の日の翌日から2月以内に当該各事業年度の決算についての定時総会が招集されない常況にあると認められる場合」に、国税当局に申請することで適用が認められる(法法75の2 ①)。このように、同特例は、事業年度終了日の翌日から2…

2.13 しかしながら、会社法439条で“取締役会の承認により決算を確定させる”が可能なのは、会計監査人設置会社のみです。したがって、もなた税理士の論拠は薄いので、これを応援する必要があります。

3 確定決算主義と法人税の申告

(株主総会の承認を経ていない確定申告の有効性)
3.1 東京地裁昭和54年9月19日判決は、株主総会の承認決議を経ていない決算書に基づく申告がなされた事案において、商法上の確定決算上の手続に依拠していないとしても、確定申告自体が、実質的に法人の意思に基づきなされたものと認められる限り、税法上は、法人税法74条に基づく有効な申告として扱うものと解する旨を判示しています。この事案は、株主総会における計算書類の承認手続が行われておらず、会社の顧問税理士が貸借対照表、損益計算書と共に申告書を作成し、その申告書を会社代表者が了承して押印したうえで提出していたというものですが、この裁判例は、当該事実をもって、会社の意思に基づく申告書と認めることができるとしています。
3.2 福岡高裁平成19年6月19日判決は、当該決算書類につき株主総会等の承認が得られていなくても、当該確定申告は有効である旨を判示しています。この裁判例は、我が国の株式会社の大部分を占める中小企業では、株主総会の承認を経ることなく、代表者や会計担当者等の一部の者のみで決算が組まれ、これに基づいて申告がなされているのが実情であると指摘しています。また、このような実情の下では、株主総会の承認を確定申告の効力要件とすることは実体に即応しないことから、株主総会の承認を経ていない決算書類に基づく確定申告が無効になると解するのは相当でないという考え方を示しています。そして、決算がなされていない状態で概算に基づき確定申告がなされた場合は無効にならざるを得ないが、当該会社が、年度末において、総勘定元帳の各勘定の閉鎖後の残高を基に決算を行って決算書類を作成し、これに基づいて確定申告をした場合は、当該決算書類につき株主総会等の承認が得られていなくても、当該確定申告は有効と解すべきであるとしています。この裁判例は、確定申告をする「法人の意思」について明示していませんが、総勘定元帳の閉鎖後の残高を基にして決算書類を作成したことやその決算書類に基づいて確定申告をしたという事実をもって、法人の意思の存在を実質的に認めていると考えられます。

4 確定申告における決算確定日

東京地裁昭和54年9月19日判決・・・会社の顧問税理士が貸借対照表、損益計算書と共に申告書を作成し、その申告書を会社代表者が了承して押印したうえで提出したものが、会社の意思に基づく申告書と認めることができる・・・

福岡高裁平成19年6月19日判決・・・我が国の株式会社の大部分を占める中小企業では、株主総会の承認を経ることなく、代表者や会計担当者等の一部の者のみで決算が組まれ、これに基づいて申告がなされているのが実情であると指摘・・・

競業避止・自己取引などは事前承認の余裕などなく・まず実行して事後承認をするしかないという実情のように、決算確定日もこの類と思われます。

顧問税理士からすると、代表者や会計担当者等の一部の者のみではないというものが欲しい。

こういった意味で、確定申告における決算確定日は、取締役会設置会社においては取締役会の日、非設置会社においては取締役の決定日が、確定申告における決算確定日ということでどうか。

以上