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H20(0818)2232

平20.8.18⺠⼆第2232号⺠事局⺠事第⼆課⻑依命通知

(kajyoの要旨)
登記嘱託書に添付する「登記原因証明情報」及び「登記承諾書」については、「登記原因証明情報兼登記承諾書」として取り扱うことができる。

sites/s1982_13


(コメント)
 kajyoは、上述のようにこの先例が「登記原因証明情報兼登記承諾書スタイル」を認めたように記述します。しかし、全文を読むとそのような文脈ではありません。この依命通知は「独立行政法人緑資源機構の解散に伴う不動産登記事務の取扱いについて」でありおそろしく長文ですので掲載を省略します。
 この照会者(独立行政法人森林総合研究所の理事長)は「登記原因証明情報兼登記承諾書」スタイルが当然よいことを前提にその他のことを訊いているのです。
 なんにしろ、世の中は「登記原因証明情報兼登記承諾書スタイル」はいいのか?という悩みがあったのでしょう。日司連で明確となっているのに…。
(閑話休題)
かかる「登記原因証明情報兼登記承諾書」スタイルは、愛知でとあることからとある方法でしたものです。当時、最後の最後で「登記原因証明情報および登記承諾書」「登記原因証明情報及び登記承諾書」「登記原因証明情報及登記承諾書」を含む四つのうちどれを出そうかと選択した経緯があります。

最初に「登記原因証明情報兼登記承諾書」スタイルを認めた公式文書は、日司連のQ&Aだったと記憶する。そこには『この二つの書面は、本来別々の性質だから一枚にするべきでないが便宜認める』というように眉間にしわを寄せたようなコメントがあった。

まさしく、本来別々の性質だから一枚にするべきでないと考える。こういうことが横行すると「相続分譲渡証明書および甲遺産分割協議書および乙遺産分割協議書および他に子なき旨の上申書」というマゼコゼ書面の受け入れざるを得なくなってしまうではないか。「登記原因証明情報および登記委任状」もよくなってしまう…とくに登記承諾書を含めてこの三つはのみ書面なのです。

なんにしろ、意図してしたことでしたが、これほどまで嘱託登記実務に浸透してしまった本件は、もう戻れなくなってしまいました・・・反省しています。この点は、嘱託登記だからいいじゃないか理論で他とは区別しよう。

kasasagi

既に二次が一切で確定の場合、二次の次男は一次相続遺産分割協議の当事者か? で引用しています。

登記申請の包括委任状についてー不動産登記に関する最近の主要通達の研究

登記先例解説集257号(1983号)
藤谷定勝(法務省民事局第三課係長)
sites/21036809

研究
1 本件照会の趣旨と問題点
(1)照会の趣旨
(2)実体的に包括委任することは可能か
(3)代理権限証書としての適格性の要件とは
  イ形式的要件/ロ実質的要件/ハその他の記載事項/ニ実態に適合した包括委任状が代理権限証書として適格性を欠く理由
(4)金融機関の場合に多い包括委任が認められた先例
(5)個人について認められた昭和27年の先例

2 本件についての検討
(1)本件と類似した例としての登記課長会同での議論
(2)本件通達の出された経緯と白紙委任状等の乱用
(3)実体法上有効とされても登記手続上できることが前提
(4)代理権限証書としては委任事項が具体的に記載されていることが必要
(5)登記官が法律等による代理権限について判断できることの前提
(6)代理権限の有無について登記官が形式的審査で判断できることが認定の基準か


(中略)

司会

この照会の要旨としては、住宅金融公庫から金銭消費貸借契約の締結とか担保権設定契約の締結、担保権の設定、移転、変更、処分、更正、回復または抹消の登記の申請等の包括委任を受けている金融機関が、その包括委任に基づいてさらに特定の個人を登記の申請等の復代理人として選任した場合に、その代理権限証書がたまたまこの照会の場合のように包括委任状であったときにはたして登記の申請書に添付する委任状として適格性があるかどうか、ということですね。

(中略)

藤谷

委任の範囲というのは具体的な委任行為によって決まってくるわけですが、委任によって与えられる代理権というのは、個々の特定事項に限って、あるいは一定の範囲の事項について包括的に与えるということができるようになっています。したがって、実体法上は包括的な委任も可能である、というふうに解されています。

(中略)

司会

そうしますと、実際に登記の分野では、ただいま説明いただいたように、ある面においては具体的な登記事項が記載されているような委任状でなければダメだということになるわけですが、先ほど説明いただいたように実体法上は包括的な委任は可能だということになっている。しかし、包括的な委任は可能だと言いながら、登記の申請書に添付する委任状としては、形式的な要件と実質的な要件が備わっていなければ実際は適格性がないのではないかといわれることになるわけです。実体的に包括委任が可能だとした場合には、そういうことを記載した委任状は、代理権限証書として適格性を欠くというのは、理論的にはおかしいような気もするのですが。

(中略)

藤谷

そのあたりは確かにいわれるとおり理論的に不審を持たれる方も多いと思います。実体法上そういった包括委任が可能である、有効だということですが、そのことを端的にあらわした委任状が登記申請に関しては適格性を欠くという根拠は理論的には説明しにくい面があろうかと思いますが、やはり手続法たる登記制度の要請から来ているのではないかと思います。

つまり、登記官は形式的な方法で書類の審査をするということですから、委任状に記載されている事項に基づいてはたして受任者に代理権があるのかどうか、あるいは委任されたとおりの登記の申請がされているのかどうかを形式的に判断するということになるので、委任状にその具体的な委任事項というのが記載されていない、包括的な形でしか記載されていないということになれば、それがまさに正しい委任された事項に基づいた登記の申請であるかどうかということを判断するのが形式的に容易でなくなってしまう、そしてまた、判断を誤るということにもなるのではないかというような感じがするわけです。したがいまして、登記申請書に添付する代理権限証書としては、具体的な委任事項が明確に記載されていることが望ましく、登記事務を適正、迅速に処理するために登記法はそのような具体的な書面を提出することを要求しているのではないかと思うのです。

以上

事業用借地権の変遷

R02(0327)308

令和2年3月27日付け法務省民二第308号法務局長
電力システム改革に伴う分社化に係る登記申請業務の下部委譲について

(通知)標記の件について,別紙甲号のとおり中部電力株式会社代表取締役から民事局長宛てに照会があり,別紙乙号のとおり回答しましたので,この旨を貴管下登記官に周知方お取り計らい願います。

(別紙甲号)謹啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

さて,弊社におきましては,登記申請業務の下部委譲に伴う委任事項につきまして,平成27年(2015年)12月1日付け法務省民二第774号にてご教示を賜っております。

おかげをもちまして,電力供給設備等の用に供するための用地買収,送電線下における地役権設定等に関する登記申請について弊社代表取締役から出先機関の長に委任事項を包括的なものにした委任状を交付し,これを使用した登記の申請を行うことにより,登記申請業務の合理化,迅速化が大いにはかられております。

2020年4月,弊社は電力システム改革に伴い「中部電力株式会社」と「中部電力パワーグリッド株式会社」に分社し,上記登記申請業務を中部電力パワーグリッド株式会社に承継いたします。

つきましては,中部電力パワーグリッド株式会社においても従来と同様に,別紙様式の委任状を使用して登記申請を行うことといたしたいと考えますので,ご多用中恐縮ではありますが,なにぶんのご教示を賜りたく,ご照会もうしあげます。

なお,差し支えない場合は,名古屋法務局および同局管内地方法務局ならびに静岡地方法務局および長野地方法務局の登記官に周知をいただきますようお願い申し上げます。敬具

(別紙乙号)本年3月16日付けをもって照会のありました標記の件については,貴見のとおり取り扱われて差し支えありません。

なお,この旨を名古屋法務局,同局管内地方法務局,静岡地方法務局及び長野地方法務局に通知しましたので,申し添えます。

(添付資料・ 包括委任状(案))

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登記研究721質疑応答7865

借地借家法の一部を改正する法律の施行前に存続期間を20年として締結した事業用借地権設定契約について、同法施行後に存続期間を30年に変更する契約をした場合の登記の可否

○要旨 借地借家法の一部を改正する法律の施行前に存続期間を20年として締結した事業用借地権設定契約については、契約の効力が同法施行後に発生する場合に限り、同法施行後に存続期間を30年に変更する契約をし、登記の申請をすることができる。

▽問 借地借家法の一部を改正する法律(平成19年法律第132号。以下「法」という。)附則第2条において「この法律の施行前に設定された借地権(転借地権を含む。)については、なお、従前の例による。」とされていますが、法施行後に契約の効力が生ずる場合には、法施行前に設定された借地権に当たらないと考えられるところ、法施行前に存続期間を20年として締結した事業用借地権設定契約につき、法施行後に存続期間を30年と変更することについては、法施行後に契約の効力が生ずるものとして契約及び登記ともに可能と考えますが、いかがでしょうか。

◇答 御意見のとおりと考えます。


この質疑応答の721号にH19(1218)2828通達が掲載されています。

index
1 事業用借地権の変遷
2. H04(0707)3930通達
3. H19(1218)2828通達
4. 登記研究721質疑応答7865



sites/21052298

H04(0707)3930通達

平成4年7月7日付け法務省民三第3930号法務局長、地方法務局長あて民事局長通達

借地借家法の施行に伴う不動産登記事務の取扱いについて(通達)

【4718】 借地借家法(平成3年法律第90号。以下「新法」という。)が本年8月1日から施行されることとなり、建物保護に関する法律(明治42年法律第40号)、借地法(大正10年法律第49号)及び借家法(大正10年法律第50号)が廃止される(新法附則第2条)とともに、不動産登記法が改正される(新法附則第15条。以下改正後の不動産登記法を「不登法」という。)こととなつたので、これに伴う不動産登記事務の取扱いについては下記の点に留意するよう貴管下登記官に周知方取り計らい願います。

第1 借地権の存続期間等
第2 自己借地権
第3 定期借地権等
第4 期限付建物賃借
第5 登記の記載


このサイトは、上記の「第3 定期借地権等」の部分です。
第3 定期借地権等の目次は、次です。

1 定期借地権
2 事業用借地権
3 一時使用目的の借地権


1 定期借地権

(1) 借地権の存続期間が50年以上である場合には、契約の更新がないこと、建物の築造による存続期間の延長がないこと、及び新法第13条の規定による建物等の買取りの請求をしないことを内容とする特約(以下「新法第22条の特約」という。)をすることができることとされた(新法第22条)。

 この特約のある借地権(以下「定期借地権」という。)の設定の登記の特約の記載は、「借地借家法第22条の特約」とする(不登法第111条第1項、第132条第1項)。

 なお、借地権の設定の登記に新法第22条の特約を追加する変更の登記の申請は、受理することができない。

(2) 定期借地権の設定の登記の申請書には、新法第22条後段に規定する公正証書(謄本)等の書面を添付することを要する。ただし、登記原因を証する書面が執行力ある判決であるときは、この限りでない(不登法第111条第3項、第132条第2項)。

 2 事業用借地権

(1) 専ら事業の用に供する建物(居住の用に供するものを除く。)の所有を目的とし、かつ、存続期間を10年以上20年以下とする借地権(以下「事業用借地権」という。)を設定した場合には、新法の存続期間等に関する規定の適用はないこととされた(新法第24条)。

 この借地権の設定の登記の設定の目的の記載は、「借地借家法第24条の建物所有」とする(不登法第111条第1項、第132条第1項)。

(2) 事業用借地権の設定の登記の申請書には、新法第24条第2項に規定する公正証書の謄本を添付することを要する。ただし、登記原因を証する書面が執行力ある判決であるときは、この限りでない(不登法第111条第3項、第132条第2項)。

(3) 事業用借地権の存続期間の変更を原因とする登記の申請については、その借地権が設定された時から変更後の存続期間が満了すべき時までの期間が10年以上20年以下の範囲内にあるときに限り、受理することができる

 なお、この場合における登記の申請書には、公正証書の謄本を添付することを要しない。

 3 一時使用目的の借地権

 臨時設備の設置その他一時使用のために設定したことが明らかな借地権については、新法の存続期間等に関する規定の適用はない(新法第25条)。

 この借地権の設定の登記の設定の目的の記載は、「臨時建物所有」とする。


index
1 事業用借地権の変遷
2. H04(0707)3930通達
3. H19(1218)2828通達
4. 登記研究721質疑応答7865

sites/21055347

H19(1218)2828通達

1 改正法による改正後の借地借家法23条1項の事業用定期借地権の登記
2 新法23条2項の事業用定期借地権の登記
3 整備政令による改正後の整理登記令15条の登記
4 登記の記録
5 経過措置
別紙 登記記録の振り合い 略


◎平成19年12月28日付け法務省民二第2828号法務局長、地方法務局長あて法務省民事局長通達

借地借家法の一部を改正する法律及び借地借家法の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令の施行に伴う不動産登記事務の取扱いについて(通達)

【5349】 借地借家法の一部を改正する法律(平成19年法律第132号。以下「改正法」という。)により不動産登記法(平成16年法律第123号。以下「不登法」という。)の一部が改正され、また、借地借家法の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令(平成19年政令第390号。以下「整備政令」という。)により不動産登記令(平成16年政令第379号。以下「不登令」という。)及び土地区画整理登記令(昭和30年政令第221号。以下「整理登記令」という。)の一部が改正され、それぞれ平成20年1月1日から施行されますので、これに伴う不動産登記事務の取扱いについては、下記の点に留意するよう、貴管下登記官に周知方取り計らい願います。

1 改正法による改正後の借地借家法(平成3年法律第90号。以下「新法」という。)第23条第1項の事業用定期借地権の登記

(1)専ら事業の用に供する建物(居住の用に供するものを除く。)の所有を目的とし、存続期間を30年以上50年未満とする場合には、契約の更新がないこと、建物の築造による存続期間の延長がないこと及び建物等の買取りの請求をしないことを内容とする特約をすることができることとされた(新法第23条第1項)。

 この新法第23条第1項の事業用定期借地権の設定の登記については、借地権設定の目的が同項の建物所有である旨及びこの特約の定めが登記事項とされたことから(不登法第78条第3号及び第4号、第81条第7号及び第8号)、借地権の設定の登記の設定の目的の記録は「借地借家法第23条第1項の建物所有」とし、特約は「借地借家法第23条第1項の特約」とする。

(2)新法第23条第1項の事業用定期借地権の設定の登記の申請をする場合には、その申請情報と併せて同条第3項の公正証書の謄本を提供することを要する。ただし、登記原因を証する情報として執行力のある確定判決の判決書の正本が提供されたときは、この限りでない(不登令別表の33の項添付情報欄ロ、不登令別表の38の項添付情報欄ロ)。

(3)新法第23条第1項の事業用定期借地権の存続期間の変更を原因とする登記の申請については、設定から変更後の存続期間満了までが30年以上50年未満の範囲内にあるときに限り、受理することができる。なお、この場合は、登記の申請情報と併せて公正証書の謄本を提供することは要しない。

2 新法第23条第2項の事業用定期借地権の登記

 新法第23条第2項の事業用定期借地権は、その存続期間が10年以上30年未満に延長されたほかは、改正法による改正前の借地借家法第24条第1項の事業用借地権と基本的に同様であり、その取扱いは、従前と同様である。なお、改正により根拠法条が移動したことに伴い、借地権の設定の登記の設定の目的の記録は、「借地借家法第23条第2項の建物所有」とする。

3 整備政令による改正後の整理登記令第15条の登記

 土地区画整理法(昭和29年法律第119号)第104条第7項及び被災市街地復興特別措置法(平成7年法律第14号)第15条第5項の場合における土地区画整理法第107条第2項の規定による登記の申請又は嘱託をする場合には、その申請情報又は嘱託情報の内容については、不登令第3条各号に掲げる事項のほか整理登記令第16条に規定するところによるところ、借地権の登記の登記事項の変更に合わせて整備政令により見直しがされた。

4 登記の記録

 1及び2の登記の記録は、別紙の振り合いによる。

5 経過措置

 改正法の施行前に設定された借地権については、なお従前の例によるとされたため(改正法附則第2条)、改正法施行前に設定された事業用借地権についての取扱いは、従前と同様である。

【図】

【図】


index
1 事業用借地権の変遷
2. H04(0707)3930通達
3. H19(1218)2828通達
4. 登記研究721質疑応答7865

sites/21052259

名法不協議結果H17(0421)2/07

既存処分文書を利用した登記原因証明情報の訂正方法は、従来の登記原因証書と取扱いに変更は無いものと考えるが如何か。
[協議結果]
登記事項等重要な記載は訂正印を押印するのが望ましいとする、従来の登記原因証書の取扱いと同様である。
平成17年4月21日開催2の7番目


oさんへ:添付書類の内容は、登記事項と余事事項に分かれます。
乱暴な言い方をすれば、「従来の登記原因証書の取扱い」なんてないと思います。
少なくとも箇条書きな言語化はされてないと思います(できません)。

言えるのは不登法45条・46条等の申請書の訂正方法にしたがっていれば適切であるということ。それは当たり前のことで殊更確認することではありません。質問者はこのことを承知のうえで「従来の登記原因証書の取扱い」と出し、回答者は大人な回答をします。

よい質疑応答と思います。kasasagi


sites/21055359

T09(0318)931民通

大9.3.18民事第931号民事局長通牒

テイハンの要約

申請書又は嘱託書の添付書類と不動産登記法第77条同法施行細則第39条の適用の有無
登記の申請書又は嘱託書に添付すべき登記原因を証する書面及び登記原因につき第三者の許可、同意又は承諾を証する書面その他登記に関し特に作るべきものでない附属書面については、不動産登記法第77条及び同法施行細則第39は、適用されない。先例集上452頁

加除出版の要約

添付書類の文字の不備及び契印漏洩と申請の受否
登記の申請書又は嘱託書に添付する登記原因を証する書面及び登記原因についての第三者の許可・同意・承諾書、その他登記に関し特に作るべきものでない付属書面中、その文字の記載方の不備及び契印の漏洩等があっても、それを理由として申請を却下すべきではない。

法令(いずれも旧法)

法77条 登記ヲ為シ又ハ申請書其他登記ニ関スル書面ヲ作ルニハ字画明瞭ナルコトヲ要ス
② 金銭其他ノ物ノ数量、年月日及ヒ番号ヲ記載スルニハ壱弐参拾ノ字ヲ用ヰルコトヲ要ス
③ 文字ハ之ヲ改竄スルコトヲ得ス若シ訂正、挿入又ハ削除ヲ為シタルトキハ其字数ヲ欄外ニ記載シ又ハ文字ノ前後ニ括弧ヲ附シ之ニ捺印シ其削除ニ係ル文字ハ尚ホ読得ヘキ為メ字体ヲ存スルコトヲ要ス
----------
細則39条 申請書カ数葉ニ渉ルトキハ申請人ハ毎葉ノ綴目ニ契印スヘシ但登記権利者又ハ登記義務者カ多数ナルトキハ其1人ノ契印ヲ以テ足ル

全文(原文)

登記ノ申請書又ハ嘱託書ニ添付スヘキ登記原因ヲ証スル書面及ヒ登記原因ニ付キ第三者ノ許可同意又ハ承諾ヲ証スル書面其ノ他登記ニ関シ特ニ作ルヘキモノニ非ラサル附属書面ニ付テハ不動産登記法第77条不動産登記法施行細則第39条及ヒ商業登記取扱手続第25条〔現行法・商業登記規則第41条〕ノ適用ナキハ勿論ナルニ往々此等ノ書面中文字ノ記載方ノ不備及ヒ契印ノ漏洩等ヲ理由トシテ申請又ハ嘱託ヲ受理セサル向モ有之哉ニ聞知候処右附属書面ハ登記ノ正確ヲ期スル為メ提出セシムルモノタルハ勿論ナルモ別ニ一定ノ形式ヲ定メラレタルモノニ無之ニ付キ其記載ニシテ全ク信ヲ措クニ足ラサルカ如キ場合ハ格別単ニ形式ノ不完全ヲ理由トシテ申請又ハ嘱託ヲ受理セサルカ如キハ甚タ妥当ヲ欠クモノト思考致候殊ニ産業組合ノ登記ノ如キ組合ノ届出ニ基キ地方庁ヨリ嘱託ヲ為スヘキモノニ付テハ之カ為メ登記ノ遅滞ヲ増スコト甚タ多ク其ノ当事者ノ権利ヲ阻害スルコト不尠ニ付キ爾後右様ノコト無之様特ニ注意セシメラレ候様致度此段及通牒候也

全文の現代語化

登記の申請書または嘱託書に添付すべき「登記原因を証明する書面」や、「登記原因について第三者の許可、同意または承諾があったことを証明する書面」、その他、登記のために特別に作成されるものではない附属書面については、不動産登記法第77条、不動産登記法施行細則第39条、および商業登記取扱手続第25条(現在の商業登記規則第41条に相当)の(文字の訂正等に関する)規定が適用されないのは当然です。

しかしながら、しばしばこれらの書面において、文字の記載方法の不備や契印の漏れなどを理由として、申請や嘱託を受理しないケースがあると聞いております。

これらの附属書面は、登記の正確性を確保するために提出させるものであることはもちろんですが、法律で定められた一定の形式があるわけではありません。そのため、記載内容が全く信用できないような場合は格別ですが、単に形式が不完全であるという理由だけで申請や嘱託を受理しないことは、甚だ妥当性を欠くものと考えます。

特に、産業組合の登記のように、組合からの届出に基づいて地方の行政庁が登記を嘱託するようなケースでは、形式的な不備を理由に不受理とされることで登記手続きが遅れることが非常に多く、当事者の権利を侵害することも少なくありません。

つきましては、今後はこのようなことがないよう、特段の注意を払っていただくよう、この旨通達いたします。

Kの原文の要約

  • 問題点: 登記申請の際、法律で厳密な形式が定められていない附属書類(登記原因証明情報など)について、文字の書き間違いや契印(割り印)がないといった形式的な不備だけを理由に、登記所が申請を受理しないことがある。
  • 見解: 書類の内容が全く信用できない場合は別として、単なる形式的な不備を理由に申請を突き返すのは妥当ではない。
  • 結論: 特に、行政庁からの嘱託登記などでは、手続きの遅れが当事者の権利を害することにも繋がるため、今後はそのような形式的な理由で安易に不受理としないよう、注意を促す。
  • 推測:産業組合から叱られた。

sites/21055341

S39(1226)民甲4024

sites/21055884
昭和39年11月13日付日記総第6756号大阪法務局長照会・昭和39年12月26日付民事甲第4024号民事局長回答
後配株式を普通株式に変更するための手続について

【3138】 標記の件について、別紙のとおり照会がありましたが、これについて商法上、なんらの規定も存せず、またこの変更手続について、左記両説がありますが乙説によるのを相当と考えます。いかがでしようかお伺いいたします。

甲説 定款における後配株式の内容に関する定款(商法222条2項)を削除することの定款変更決議(商法342条1項)及び普通株式を有する株主総会の決議(商法345条1項)を要する。
乙説 普通株主全員の同意と、会社と後配株主の個々的な合意のみで足りる。

別紙
               昭和39年10月21日照会
 大阪法務局長
  天野健夫殿
           大阪市門真町大字門真1006
           松下電器産業株式会社
            代表取締役 松下正治〔印〕

後配株式を普通株式に変更することについて
 当社の子会社はかつて後配株式と普通株式を発行しましたが,現在後配株式を発行しておく必要性がなくなりましたので,これを普通株式に変更したいと思います。
 ついては,この手続につき商法上規定がありませんので,いかがすべきかご回答下されたくお願い申しあげます。

回答
 11月13日付日記総第6756号をもつて照会のあつた標記の件については、甲説によるのを相当と考える。


S50(0430)2249はまったくないであり、本件すでにあるという違いがあります(sites/21055885)。

最初みたときは、そんなことが許されるのかと驚きました。両者の共通点はパナソニック と弁護士会会長という大物の点。こういうコメントはよくないのであとで消そう。

S50(0430)民四2249

sites/21035239
昭50.4.30民四第2249号民事局長回答
昭和50年3月7日付大阪弁護士会長照会・昭和50年4月30日付民四第2249号民事局長回答
普通株式を優先株式に変更することの可否について

【4190】 甲会社は、従前の定款では普通株式のみを発行する旨を定めておりましたが、今回、優先株式をも発行し得る様定款変更を行ない、左の規定を設けました。

第6条 当会社の発行する株式の総数の内27,000,000株を普通株式とし、9,000,000株を次の内容を有する優先株式とする。
1 優先株式は、毎決算期において普通株式に先だち、額面金額に対して年15%の利益配当を受ける。なお、残余があるときは普通株式に対して優先株式と同率に至るまで配当をなし、優先株式及び普通株式に対して平等に1株当り同率の配当をする。
2 当該決算期における優先配当金額が、前号の優先配当金額に達しないときにあつても、次期以降の決算期においてその不足額を補填しない。
3 優先株式の株主は、その額面金額に達するまで普通株式の株主に優先して残余財産の分配を受けるものとする。
4 優先株式は、議決権のない株式とする。

そして、会社は既発行の普通株式14,000,000株の内1,000,000株を当該株主との合意に基づき、優先株式に変更したいと希望しています。しかし、既発行の普通株式を優先株式に変更する手続については、商法上規定がなく先例も見当りませんので、その事項について意見を伺いたく、回答をお願い致します。

第一 既に発行済の普通株式を優先株式に変更する事は可能か。
第二 右第一が可能とすれば、その手続如何。
尚、前記事項につき、
第一については可能
第二については、会社と優先株式への変更を希望する株主との合意及び他の普通株主全員の同意があれば足り、登記申請には右合意及び同意のあつたことを証する書面を添付すれば十分と思料いたします。
 (以上)

回答 本年3月7日付け書面をもつて照会のあつた標記の件については、貴見のとおり取り扱つて差し支えないものと考えます。


S39(1226)民甲4024はすでにあるであり、本件はまったくないという違いがあります((sites/21055885)。