H22(1227)3201依命通知

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【要旨】
養子縁組の届出に関する取扱いについての平成22年12月27日民一第3200号通達の対象となる虚偽の養子縁組と疑われる届出、届出地市区町村長による審査及び管轄法務局長等への照会の方法並びに管轄法務局等における調査について。

【全文】
平成22年12月27日法務省民一第3201号法務局民事行政部長・地方法務局長あて民事局民事第一課長依命通知
訓令【5291】
養子縁組の届出に関する取扱いについて(依命通知)
 標記の取扱いについて、本日付け法務省民一第3200号をもって民事局長通達(以下「本件通達」という。)が発出されたところですが、その運用に当たっては、下記の点に留意するよう貴管下支局長及び管内市区町村長に周知方取り計らわれるよう通知します。

第1 本件通達の趣旨
 本件通達は、近年、親子関係を創設するという養子縁組制度本来の目的を逸脱し、氏を変えることを目的として短期間に成年同士の養子縁組を繰り返すなど、縁組意思のない養子縁組(以下「虚偽の養子縁組」という。)の届出がされる事案が発生していることを受けて、その未然防止策として発出されたものである。
 したがって、本件通達の趣旨を踏まえ、適切な運用に努めるよう留意されたい。

第2 虚偽の養子縁組であると疑われる届出
1 本件通達1の「虚偽の養子縁組であると疑われる届出」とは、例えば、次のような場合である。
(1) 届出人のいずれかが、届出の前おおむね6か月以内に、養子縁組又は離縁を2回以上行っている場合(ただし、養子縁組又は離縁の当事者が前の養子縁組又は離縁の当事者と同一であるときは、1回として取り扱う。)
(2) 届出人のいずれかが、届出時に、二人以上の者と養子縁組をしている場合
(3) 第3の審査の過程で、届出人のいずれかが、届出時までに、養子縁組又は離縁を3回以上行っていることが判明した場合(ただし、養子縁組又は離縁の当事者が前の養子縁組又は離縁の当事者と同一であるときは、1回として取り扱う。)
(4) 届出人のいずれかの住民票が、職権により消除されている場合

2 養子縁組の届出がされた市区町村長(以下「届出地市区町村長」という。)は、1の(1)から(4)までのいずれかに該当する場合であっても、以下のいずれかに該当する届出については、本件通達による取扱いの対象外として差し支えない。
(1) 養子となる者の氏の呼称に変更がないとき。
(2) 養子縁組について家庭裁判所の許可があるとき。
(3) 自己又は配偶者の子を養子とするとき。
(4) その他、届出地市区町村長が、虚偽の養子縁組であるとの疑いがないと判断するとき。

3 届出地市区町村長は、1の(1)から(4)までのいずれにも該当しない場合であっても、以下のいずれかに該当する事情があり、これにその他の事情を考え併せると、虚偽の養子縁組であると疑われる届出については、本件通達による取扱いの対象として差し支えない。
(1) 届出人が、養子縁組の届出とほぼ同時期に、分籍又は転籍の届出をしていること。
(2) 届出人が、氏の変更後の住民基本台帳カード又は戸籍謄抄本の交付請求を必要以上に早急に求めてくること。
(3) 養親と養子との年齢差が、おおむね5歳以下であること。

第3 届出地市区町村長による審査及び照会
1(1) 届出地市区町村長は、養子縁組の届書に添付された戸籍謄抄本又は当該市区町村に備えられている戸籍若しくは保存されている除籍若しくは改製原戸籍(以下「添付された戸籍謄抄本等」という。)により、届出人の過去2年間における養子縁組又は離縁の履歴が明らかでない場合には、届出人に対し、添付された戸籍謄抄本等の直前の戸籍、除籍又は改製原戸籍の謄本(以下「直前の戸籍等の謄本」という。)の提出を求めるものとする。
(2) 届出地市区町村長は、届出人が直前の戸籍等の謄本の提出に応じない場合には、本籍地市区町村長に対し、直前の戸籍等の謄本の送付を求めるものとする。
(3) 届出地市区町村長は、(1)又は(2)により取得した直前の戸籍等の謄本の審査により、養子縁組の届出に不審な点があると認めた場合には、更にそれ以前の戸籍等の謄本を取得して審査をするものとする。

2 届出地市区町村長は、1の審査の結果、虚偽の養子縁組であると疑われる届出については、管轄の法務局、地方法務局又はそれらの支局の長(以下「管轄法務局長等」という。)に対し、当該届出の受理又は不受理につき照会をするものとする。

第4 管轄法務局長等による調査

1 管轄法務局長等は、届出人に対し、出頭を求めて事情聴取を行い、必要な資料があるときは当該資料を求めるなどの調査を行うほか、必要に応じ、証人・使者等に対しても、届出人に対する調査に準じた調査を行うなどして、縁組意思の有無について十分調査をした上、届出地市区町村長に対し、受理又は不受理の指示を行うものとする。

2 管轄法務局長等は、1の調査に当たり、届出人、証人・使者等による暴力行為等により職員に危害が加えられるおそれがあると認められる場合には、都道府県警察に協力を求めるとともに、届出地市区町村長に対して受理又は不受理の指示を行った後、必要に応じ、都道府県警察に対し、当該調査に係る情報を提供するものとする。

 なお、本件に関しては、警察庁と協議済みであるので、念のため申し添える。