L06250717 福岡地方裁判所 平成17年(行ウ)第24号 法人税更正処分等取消請求事件 平成19年1月16日
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(要旨)(1) 会社は、法人税の申告に当たり、各事業年度終了の日の翌日から2か月以内に、確定した決算に基づき所定の事項を記載した申告書を税務署に提出しなければならないが、この規定の趣旨は、法人税の課税所得については、会社の最高の意思決定機関である株主総会又は社員総会の承認を受けた決算を基礎として計算されることにより、それが会社自身の意思として、かつ正確な所得が得られる蓋然性が高いという点にある。そうすると、同規定の「確定した決算に基づき」とは、株主総会又は社員総会の承認を受けた決算書類を基礎として所得及び法人税額の計算を行う意味と解すべきである。
(2) 我が国の株式会社や有限会社の大部分を占める中小企業においては、株主総会又は社員総会の承認を経ることなく、代表者や会計担当者等の一部の者のみで決算が組まれ、これに基づいて申告がなされているのが実情であり、このような実情の下では、株主総会又は社員総会の承認を確定申告の効力要件とすることは実体に即応しないというべきであるから、株主総会又は社員総会の承認を経ていない決算書類に基づいて確定申告が行われたからといって、その確定申告が無効になると解するのは相当ではない。したがって、決算がなされていない状態で概算に基づき確定申告がなされた場合は無効にならざるを得ないが、会社が、年度末において、総勘定元帳の各勘定の閉鎖後の残高を基に決算を行って決算書類を作成し、これに基づいて確定申告した場合は、当該決算書類につき株主総会又は社員総会の承認が得られていなくても、確定申告は無効とはならず、有効と解すべきである。