建物の滅失登記に抵当権者の承諾は必要か

【索引】抵当権付建物の滅失登記

1 昭和26年前は、滅失登記の添付書類として必要でした。

昭36年(1018)大阪高裁:その判決文に『もつとも、昭和26年法律第150号による同法改正前は同法第93条第81条によりその建物の登記用紙に「所有権以外ノ権利ニ関スル登記アルトキハ申請書ニ其登記名義人ノ承諾書又ハ之ニ対抗スルコトヲ得ヘキ裁判ノ謄本ヲ添附スルコトヲ要ス」ることとなつていたが、右改正により右各法条は削除された。」とある。

(注・昭和26年法律第150号の改正前は大福帳時代だが、現物を見ていない。)
したがって、この時代では、抵当権者の承諾書がなければ却下されたことになります。また、その承諾さは「本登記をする際の遅れる仮登記の承諾を求める」類になると思います。つまり、建物が滅失したことをもって承諾せざるをえない類です。それゆえに、「本登記をする際の遅れる仮登記の承諾を求める類」と同様に、抵当権者が承諾をしない場合は、昭56(0630)東京高裁のように抵当権者に損害が生じたか否かは別問題として、第93条第81条的に承諾をしなけければならない義務が生じ、この裁判を別途することになります

2 昭和26年法律第150号による改正により、法令上承諾書を添付する必要はなくなりました。
昭36年(1018)大阪高裁LGが判示するとおりです。

3 しかし、昭和26年の改正のあとの大阪法務局は、内部通達の類で抵当権者の承諾書を求めていたと思います。

4 【不登Q&A選(7版)】Q36によると、大阪法務局にかぎらず、登記所によっては承諾書(印鑑証明書付き)を求めているそうです。

5 ここで述べているように、規則93条の実地調査における調査報告書の記載例は、あたかも抵当権者の承諾を求めるか・実質的に消滅しているかということを調査しなければならないように勘違いします。すくなくとも、K先生とその周囲の調査士はおそらくその記載例を額面通りに読み込んで、そのように勘違いしています。名古屋のST先生も同じでした。