昭56(0630)東京高裁(コメント)

【索引】抵当権付建物の滅失登記
sites/21057920

一 判決文から概要を推測しました。

判決文には書いてありませんが、土地所有者と建物所有者が別であるから、借地と思われます。このことは損害額に借地権を含めていることから裏付けられます。同時に土地には本件根抵当権は設定されていないことになります。

被告会社は、この土地及び建物を同日に買い取ったかもしれません。別々かもしれません。別々であってもこの借地権(賃借権)の混同が論点になります。つまり、民法179条(520条)1項前半により土地賃借権と土地所有権が同一人物に帰属したので賃借権は消滅するか。しかし、同条但書の「その債権が第三者の権利の目的(つまり本件根抵当権)であるときはこの限りではないとされるので、本件賃借権はこの根抵当権の目的において消滅しません。

野地は島根を含む複数の債権者に相当多額の債務を負担しており、そのうち島根に対する債務のみでも約一三、〇〇〇、〇〇〇円にのぼつている」とあります。この債務は地代ではないだろうか(地代だとしよう)。

転売する目的で島根から買い受けたが、その地上には野地所有の本件建物が存在したので、同建物をも買い取つた上でこれを取り毀し、右土地全体を更地として売却するため」とあります。この建物は最初から取り壊す目的であった。

被告会社は、この土地及び建物を買い受ける前提として、地主島根に借地人野地に対し地代未払いによる賃貸借契約を解除をさせ、借地権を消滅させてからするべきであったと思います。