sites/21058564
ここに整理事項として掲載しています。LLI(判例秘書)による判例です。
【判例番号】 L01620576
抵当権設定登記等抹消請求控訴事件
【事件番号】 大阪高等裁判所判決/昭和34年(ネ)第1290号
【判決日付】 昭和36年10月18日
【判示事項】 建物滅失登記申請について登記簿上の所有権以外の権利者の承認の要旨
【判決要旨】 建物滅失登記申請について登記簿上の所有権以外の権利者の承認を必要としない
【参照条文】 不動産登記法93の6
不動産登記法146
【掲載誌】 下級裁判所民事裁判例集
(争 点)
控訴人(褒徳信用組合)の主張
「本件建物は本訴提起後である昭和三四年二月一〇日神戸市復興土地区画整理事業の施行に伴う除却命令により取毀され滅失するに至つたので控訴人に対し本件建物の滅失登記申請につき不動産登記申請につき不動産登記法第一四六条第一項の同意を求めるものである。」
(判 決)
控訴人は本件建物の所有者として、その滅失を原因とする建物滅失登記申請をなすにつき登記簿上の抵当権者たる被控訴人の同意を訴求しているのである(請求の趣旨には、建物滅失を原因とする抹消登記申請につき同意をせよと表示されているが、右は不動産登記法第九三条の六の建物滅失登記申請に対する同意を求める趣旨であると解すべきである)。
不動産登記法第九三条の六によれば建物の滅失があつたときは「表題部ニ記載シタル所 者又ハ所 権ノ登記名義人ハ一ケ月内二建物ノ滅失ノ登記ヲ申請スルコトヲ要ス」るのであるが、その登記の申請については、現行不動産登記法上、登記簿上の所有権以外の権利者の承諾書等を必要とすべき規定もなく、かかる権利者において右登記申請において右登記申請に同意すべき義務はないと解すべきである。(もつとも、昭和二六年法律第一五〇号による同法改正前は同法第九三条第八一条によりその建物の登記用紙に「所有権以外ノ権利二関スル登記アルトキハ申請書二基登記名義人ノ承諾書又ハ之二対抗スルコトヲ得ヘキ裁判ノ謄本ヲ添附スルコトヲ要ス」ることとなつていたが、右改正により右各法条は削除された。)
また、控訴人が挙示する同法第一四六条は、登記簿中事項欄の登記抹消につき「登記上利害ノ関係)有スル第三者」の承諾等を要するとしたもので、表示欄の抹消については、かかる第三者の承諾等は要しないものと解すべきである。したがつて、本件のごとき登記簿事項欄の抹消と登記用紙の閉鎖を招来する建物滅失登記の申請については、右法条を適用すべきものではない。
そうすると、本件登記簿に表示された被控訴人名義の抵当権等が実体上有効に設定されたか否かにかかわらず、控訴人の体訴請求は主張自体理由ないことは明かである。
控訴人は当審において訴を交換的に変更したもので鳴るから、新訴については第一審として判決すべく、控訴人の請求を棄却。